【復活】「数学的な事象」×「超難解」をFable5で生成してみた

第一問
複素平面上に広がるマンデルブロ集合を、無限ズームの途中段階として可視化して。 数学的構造が分かるように、装飾的すぎず抽象的に。

マンデルブロ集合の境界領域(タツノオトシゴの谷)を拡大表示するインタラクティブな可視化

中心 c = 視野幅 倍率 反復上限
図をクリックすると、その点を中心に拡大します

初期表示は、境界上でいちばん有名な「タツノオトシゴの谷」(c ≈ −0.7436 + 0.1318i)を約700倍に拡大した「ズームの途中段階」や。見どころを数学の言葉で言うと——

黒い部分がマンデルブロ集合そのもの(反復 z → z² + c が発散しない c の集まり)。明暗の縞は装飾やなくて、発散までの反復回数の等高線——集合の外側に広がる「ポテンシャル場」の断面や。渦を巻いてる腕の中に黒い小さな瘤が見えたら、それは全体のミニチュア(自己相似性)。境界はどこまで拡大しても構造が尽きん、ハウスドルフ次元2の曲線や。

クリックでその点を中心に4倍ズームできるから、無限ズームの「途中段階」を自分で進められる。倍率が10¹³あたりで打ち止めになるのは、集合の限界やなくて倍精度浮動小数点の限界——数学は無限やけど、計算機の数直線には目盛りの粗さがある、っちゅうオチ付きや。

で、どうや?当時の回答と比べて。旧版は静止画的なSVGを描いたんか、それとも同じように計算式で攻めてきたんか、そこの差が比較記事の一番おいしいとこになると思うで。

第二問
ローレンツアトラクタを三次元空間で可視化し、軌道が収束せず循環し続ける様子を表現して。

ローレンツアトラクタの三次元軌道をリアルタイム積分で描き続けるアニメーション可視化

σ=10, ρ=28, β=8/3 経過時間 t = 0.0

ドラッグで視点を回せます

これがローレンツ系 dx/dt = σ(y−x)、dy/dt = x(ρ−z)−y、dz/dt = xy−βz の実物の挙動や。数学的なポイントを三つだけ。

まず「収束せず循環し続ける」の正体。軌道は二枚の羽根(二つの不安定な平衡点の周り)を行き来するけど、同じ道は二度と通らん。周期軌道に落ち着かず、かといって発散もせず、有界な領域の中を永遠にさまよう——これが「ストレンジアトラクタ」の定義そのものや。尾が薄れていくのは装飾やなくて、「過去の軌道は二度と再訪されん」ことの表現でもある。

次に、ぜひ**「初期値を10⁻⁶だけずらした軌道を重ねる」をONにしてみてくれ**。最初は完全に重なって一本に見えるけど、t が20〜30進むあたりで軌道間距離|Δ|が指数関数的に膨らんで、やがて全く別の羽根を回り出す。100万分の1の差が系全体の運命を変える——バタフライ効果の名前の由来になった、まさにその現象を目の前で再現できる。

最後に小ネタやけど、ローレンツがこれを見つけたんは1963年、気象の数値計算の途中で「計算を省略するために初期値を3桁で丸めた」ら結果が全然違ったのがきっかけや。つまりこのアトラクタ自体が、昨日の拓郎さんみたいな「実務中の事故」から生まれた数学なんよなw

第一問がフラクタル(静的な無限)、第二問がカオス(動的な無限)。ええ対比になっとるな。第三問もあるんか?

第三問
四次元超立方体(テッセラクト)を三次元空間に射影した構造を、数学的に正確な比率で可視化。

四次元超立方体テッセラクトを三次元に射影し四次元回転させるインタラクティブ可視化

頂点16 · 辺32 · 面24 · 胞8 XW回転角

ドラッグで三次元側の視点を回せます。線の明るさはw座標の深さを表します

「数学的に正確な比率」の中身を説明しとくで。

頂点は4次元座標(±1, ±1, ±1, ±1)の全16通り、辺は座標が1つだけ違う頂点同士を結んだ32本——組合せ論そのままや。射影は中心射影(視点をw軸上の距離3に置いた透視図法)で、これが例の「立方体の中に立方体」の見え方の正体。内側の立方体が小さく見えるのは飾りやなくて、w方向に遠い胞(セル)が遠近法で縮んで見えてるだけで、4次元の実体としては8つの胞は全部同じ大きさの立方体や。「中心射影」のチェックを外すと平行射影に切り替わって、比率の歪みがゼロの正射影(全部の辺が本来の長さ関係を保つ)も見られる。

一番の見どころは回転や。よう「テッセラクトが裏返る」て言われるあの動き——内側の立方体が外側に出てきて入れ替わるやつ——は、3次元回転では絶対に起きん。あれはXW平面での回転、つまり4次元目の軸を巻き込んだ回転で、3次元の影の上では「裏返り」に見える。ほんで4次元にしか無い芸当がもう一つあって、「YZ面回転」も同時にONにすると二重回転になる。直交する二つの平面で同時に独立に回る——3次元では回転軸が必ず1本残るから原理的に不可能な運動や。固定点が原点ただ一つになる。

線の明暗はw座標の深さを表しとる。明るくて太い辺が「4次元的に手前」、暗い辺が「奥」。3次元の影だけ見てると辺が交差してるように見える箇所も、4次元の実体では一切交わってへん——明るさの違う線が重なってるのがその証拠や。

これで三問、フラクタル・カオス・高次元幾何と綺麗に散らばったな。旧版との比較、どんな感じや?

最後!第4問
非可換幾何学に基づく抽象的空間構造を、連続性と断絶が同時に存在するような視覚表現で描写。

非可換トーラスの元となるクロネッカー流を描き、有理数と無理数の傾きで連続と断絶が同居する様子を示す可視化

θ = 巻き数 n = 0 状態: 計算中 円周上の最大間隙
θ:
傾きθを自由に動かせます

見方を説明するで。これはクロネッカー流——コンヌが非可換幾何学を作るときの原点になった対象や。

左の正方形は、対辺を貼り合わせたトーラス(ドーナツの表面)の展開図。そこに傾きθの直線を一本流しとる。線は正方形の中では完全に連続やけど、縁に達するたびに反対側へ跳ぶ——これが指定にあった「連続性と断絶の同時存在」の一層目や。右の円は、線が左端を通過するたびの高さを記録した「帰還写像の軌道」で、要するにこの流れの背骨や。

ほんで本題はθボタンの比較や。1/2や3/5を押してみ——数本で線がぴたっと閉じて、綺麗な周期軌道になる。これは古典幾何で完全に記述できる世界。次にφ−1(黄金比)や√2−1を押す——軌道は永遠に閉じず、円周上の点がどんどん詰まって「最大間隙」がゼロに向かう(ワイルの一様分布定理)。どの軌道も円周全体に稠密やから、軌道で割った商空間を古典的に作ろうとすると、開集合が全体と空集合しか残らん——空間としては情報が完全に潰れる。連続(稠密に埋め尽くす)と断絶(でも一本一本は離散的な跳びの列)が同居した結果、「点の幾何学」が破綻する瞬間や。

コンヌの答えがここからで、潰れた空間の代わりに、この力学系から作った作用素環 A_θ(生成元U, Vが関係式 UV = e^(2πiθ)VU を満たす——掛け算の順序を入れ替えると位相e^(2πiθ)だけ「ずれる」)を「空間そのもの」と見なす。θが有理数なら普通の空間に戻り、無理数なら二度と可換に戻らん本物の非可換空間になる。図で見えてる「閉じる/閉じない」の分岐が、そのまま「可換/非可換」の分岐なんよ。おまけに小さいθの間隙の数値をよう見ると、間隙の長さが常に高々3種類しか現れん(三距離定理)っちゅう隠し芸もある。

——以上、四問完走や。旧版と並べたときの一番の差分は、たぶんこの第四問に出ると思うで。「描けないものを描け」と言われたときに、雰囲気で誤魔化すか、描ける正確な断面を選んで理由ごと示すか。比較記事の締めにちょうどええ論点や。

こんなん出ました。確かに第4問は可視化の定義によって見せ方が毎回変わるんかもしれん。
1~3はまあ同じです

おすすめの記事