
OneDriveの罠にハマった話 ― デスクトップのファイルが「実は存在しなかった」件
先日、仕事のデータを整理しようとして、えらい目に遭いました。同じ罠を踏む人が減るように、顛末を書き残しておきます。特にWindowsパソコンで仕事をしている個人事業主・中小企業の方は、他人事ではないはずです。
何が起きたか
デスクトップに置いていた仕事用フォルダ(約90GB)を、Cドライブ直下の新しいフォルダに移動しようとしました。ただのドラッグ&ドロップです。ところがコピーが途中で失敗。残骸を片付けたところで気づきました。ファイルの大部分が、開けない・中身がない状態になっていたのです。
原因は「OneDriveの初期設定」
調べてわかった原因は、自分の操作ミスではなく、Windowsの初期設定にありました。
Windowsは初期設定のまま使うと、デスクトップと「ドキュメント」フォルダを、断りなくOneDriveの同期対象にします。つまり「デスクトップに置いたつもりのファイル」は、実はOneDrive管理下にある。
さらに厄介なのが、無料のOneDriveは容量5GBしかないこと。私の場合、数年前に満杯になって同期が凍結していました。ところが見た目上はエラーも出ず、動いているように見える。実際には、ローカルのファイルの多くが「オンラインのみ」の**中身のない殻(プレースホルダー)**になっていて、クラウド側は数年前の状態で止まっていた——という状態でした。
この状態でフォルダを移動しようとすると、殻だけがコピーされたり、途中で破綻したりします。今回の事故はそれです。
どう復旧したか
幸い、以下の手順でほぼ全データを確保できました。
- まず残っているものを全部バックアップ(robocopyで別ドライブへ丸ごとコピー)
- Windowsのシャドウコピー(以前のバージョン)を確認。事故前夜の自動スナップショットが残っており、そこから事故前の状態を丸ごと救出
- OneDriveのWeb版とGoogle Driveを直接確認。クラウドにしか実体がないファイルをダウンロードして回収
- ファイルの先頭バイトをチェックする簡単なスクリプトで、壊れているファイルと生きているファイルを仕分け
結果、業務データは無事。壊れていたのは代替の入手先がある書類がほとんどで、実害は最小限で済みました。データ復旧業者に頼めば数万〜十数万円コースだったと思います。
教訓 ― 今日確認してほしいこと
- 自分のデスクトップがOneDrive管理下にないか確認する。 エクスプローラーでデスクトップのファイルに雲マークやチェックマークが付いていたら、それはOneDrive配下です。
- OneDriveの容量が満杯で凍結していないか確認する。 満杯のまま放置すると、「同期しているように見えて、実は何年も前で止まっている」状態になります。
- 大事なフォルダを移動する前に、必ず別の場所にコピーを取る。 「移動」ではなく「コピー→確認→元を削除」の順で。一度にサルベージせずちょこちょこコピペがいいと思います。私は一度に動かそうとして途中でこけてダメになったと思われます。
- OneDriveと縁を切るなら順番が命。 先にリンク解除すると、オンラインのみのファイルがローカルから消えることがあります。必ず「データを全部手元に確保してから、同期停止→リンク解除」の順で。
まとめ
今回の件、自分の管理が悪かったというより、「ユーザーに黙ってデスクトップをクラウドに移し、容量切れでも動いているように見せる」という設計の問題だと思っています。ただ、設計に文句を言っても失ったデータは戻りません。防御策は「自分のデータがどこに実体を持っているか把握しておくこと」に尽きます。
この記事が、どなたかの「事故前の健康診断」になれば幸いです。


